振り出しへ戻る & プランニングの醍醐味 - その4


前回までの流れ


 さてタイトルにもある〝振り出しへ戻る〟は、当初のF1チームへのスポンサーシップの案件
  • →中止
  • →e-sports
へ変更と言う事で〝振り出し〟に戻ったワケ。
 では〝プランニングの醍醐味〟の〝醍醐味〟とは何処に?と言う訳で、この醍醐味の醍醐味たる部分を話したい。

 この案件で昨日、スポンサーと最終確認のミーティングを行った。ネットでのミーティングだが実に90分近く話した。その中で前日、チームとのミーティングで勝手にこちらから提案した事を伝えた。「今、中国を取り巻く環境は極めて悪い状況にあります。従って英国にある貴チームが直接、中国の選手で何かのプロジェクトを手掛けるのは、何かあった時のリスクヘッジが取れなくなる、と同時に企業として周囲に誤解を与える結果になる可能性がある。
 そこでマカオにあるe-sportsの協会と先にアライアンスを組んでみたらどうか?ここの会長はリスボアホテルのCEOの息子が会長をやっている。選手は彼らにセレクトさせるなり、内容はともかくとしてワンクッション置く事を勧める。」と提案した事を伝えた。

 するとスポンサーも『そうしてください。別に本土の中国人で展開しなくても良いです。香港でもマカオでも。とにかく面倒な政治論争のきっかけや材料にならない様にお願いします。そのマカオの協会と組むのは良いアイデアで、結局セオドールレーシングの延長線上にありますよね。
 その方が先が見えると言うか長い間、一緒に組んだので安心感があります。』との事で理解を得られた。

右のモノと左のモノを繋げるだけなら誰でも出来る(それすら出来ない人もいますが)。


 前のセオドールのスポンサーの時も各国の法規や、主催者(F1/F2のスポンサーが含まれていた為)への確認等、かなり詳細に調べた。こうしないと後で問題が発生した時に面倒な事になる。もとより何かあったら逃げる体制を敷いて、ウイワークみたいなところを毎年転々としているならともかく、キチンとやって行くとしたらそれ相応の準備とリスクヘッジを取っていかないとならない。

 ビジネスが元で発生したトラブルで相手国で事件などなったら、にっちも察知もいかない事になる。昨日もマカオで事件を起こした御仁がマカオ検察庁から起訴されて刑事裁判が開かれたが、身分を隠していた。
 一方でその身分をpress release等で派手に公開していた為、裁判所にバレた。それが裁判所の逆鱗に触れたらしく、裁判所から情報の確認を求められ結果的に被告の分際で裁判の延期をした、なんて事件があったが、アウエイでの事件なんぞ、誰も味方しない。

 話しは戻し、単純に左右を整えるだけでなく、その中で出来るベストソリューションを生み出す力がどうしても必要。我々は皆、今は何もなくともひとたび強風が吹いたら全てがストップしてしまう辛さをこの一年で学んだ。学んだとするならば、良い状態のうちに悪い状態に備えると言う事も同時にしていかないとならない。
 今の日本政府で最も欠けているのはここで、その結果コロナ対策などで、どう言う事になっているか?を考えれば答えは明白である。ただそれには与える側も受ける我々も、もう少し賢くならなければならないと思う。