毒を吐きます。
正直言うと、このくらいデタラメな選考基準になるとは思っていました。
昨年のマカオGPの時、今年のマカオGPのFRのプロモーター(以下、Xと表記)が色々と動いておりました。
彼はその前にアジアンF3をやり、FIAとちょっと揉めてF3の名前を抹消され、その後、日本を取りに来てここもFIAに止められ(童夢が車輌制作を表明していたから)、ちょっと燻っておりました。
因みにTCRのプロモーターであるデビッド・ソネンシャーはXの事を「クラッシャー(破壊屋)」と呼んでおり、アジアのMS関係者は「侵略者」と呼んでおります。
これにまさかマカオの体育局が乗っかるとは思っておりませんでした。なぜなら開催日を含めてマカオ政府は「3」に拘っていたからです。
それはマカオGPの成り立ちにも影響していたー
こちらにマカオGPがどの様に始まり、成り立ち、現代へと繋がって言っているか?が詳細に書かれているのでご覧ください。
FIAからの押し付けでF3を嫌がっていたマカオ政府ですが、「安全性」に押し切られる形で採択したF3を採用し、結果、大成功をしました。
この事も含めて11月の第3週目はマカオGPの日と定められ、「3」にこだわり続けたのです。
(マカオGPの開催日は香港のTV局の開局記念日とセットだったのです)
そして2018-2019年前後にFIA F3がF3規格を半ば強引に組み直してしまったところから、地殻変動は起こっておりました。
この時期の動きに関しては随分前にまとめ、ここに記してありますのでお読みください。
この様な経緯に若干の紆余曲折が加わり、現在のフォーミュラピラミッドが成立している訳です。
そして今年のマカオGPのFRの発表。
もう決定を聞いた時から嫌な予感しかしていませんでした。
まさかの「X」のワンメイク戦になるんじゃないか?と。クルマ、クソ遅いですからね。クルマに興味の無い方なので。私と同じで。
クルマが組み上がっていて、走れば良い。だってワンメイクでしょ?
と言う雑な考えの持ち主なので。
実際、このレースに参加するドライバーがもう実車でテストしましたが、予想通りの感想でした。
「エンジン、クソでした」
と。
日本のFRと全く同じエンジンですが仕様(マッピング)が異なり、ストレートも「日本Ver.より全然遅い」と。
でもXの性格から考えたらそうなるだろうな?と思います。
本番では公平になっている事を願うばかりです。
現在、マカオのギアサーキットに於いて、FIA F3とFIA F4車輌とのタイム差は18秒ほどありますから、FRになるとつまりは昨年の10秒落ちかな?と予想しております。せめて8秒落ちにしてほしいといちレースファンは思うのです。
だって10秒落ちだと、それってGT3とほぼ同じタイムやん?となります。
かつてのformula Pacificの二の舞にならないかー
まぁクルマの事はこの辺にして、参加基準です。
これには流石に「?」が付きます。
当初「各国のFRのチャンピオン」に+αに加え、「五戦以内のF2ドライバーはワイルドカードでOKだけどF3の選手はダメ」となっておりました。
それがいつの間にか全員招待制に変わってしまった。
ウチなんて当初予定していたドライバー、全員変わりましたよ。
見事に。
F3ドライバー2名ですから。
なんじゃそれ?ですよ。
まぁもし今年が初年度であり通過点であれば良いですよ。そう言う年もあって良いでしょう。
しかしね?
このままいくと、かつてのFP/FAと同じ短命に終わりますよ。
そして今日感心したのが英国MSVが主催する新しいGB3車輌です。
最近、F1を見てて何が気が付きません?去年のマカオもそうですが。
GB3(旧MSV F4/BF3)出身者が結構出てきました。
かつての英国F3の流れを組む、ジョナサン・パーマー社長以下のMSVはFIA に翻弄されるのが嫌で、絶対にFIAに与しない政策をとっております。
これはJRPやインディも同じで、その様なシリーズは総じてクルマが良く、そのカテゴリーの割には安く出来る事。
そしてそれに嫉妬心を燃やすFIAは、FIAポイントを低く設定し、メディアやファンから呆れられております。
実は当初、FRも同じ立場でした。
このクラスで大成功を収めていたフォーミュラルノーをなんとか排斥しようとFIAは躍起になりF4を設定。そしてF1と話し合い、GP2/3を奪って自分達の傘下に収める事にまんまと成功しました。
この辺、社会主義とまでは言いませんが、超絶官僚主義のおフランス人が考えそうなヒエラルキーの組み立て方そのものです。
その為に年末はマカオ!を合言葉に各国、各シリーズで頑張っていたF3はあっさりと崩壊。スペインと日本だけは名称を変えて続けている訳です。
しかし蓋を開けてみたら4と3の差が想像より大き過ぎてこれに困ったFIA はF3を分割する事にしました。中央政府取り仕切りのF3はGP3をリプレイスしたFIA F3。そしてそれ以外には地域(Regional)F3。
それで真っ先に飛びついたのがXでアジアF3を開催。ところがそうした時に欧州は?参加者なんかいねーぞ?と、なり結局フォーミュラルノーのシリーズを地域F3に。けどF3ってやっぱ違うよね?になり、フォーミュラ地域(リージョナル)に落ち着いた、と。
当初はアルファロメオのエンジンで良いじゃん?となっていましたが、サービスや規模がこれに叶わず、結局ルノーさんのエンジンを使いましょう。なんならアルピーヌって名前にしましょう、と現在の欧州FRとなった訳です。
するとFIA戦の宿命と悲劇です。
コストの急増は目も当てられなくなり、現在はかつてのユーロF3も土下座級のコストになっていった訳です。これには流石にかのルイス・ハミルトンも苦言を呈していましたね。
そんな中、英国勢が伸びてきました。
抑えられたコスト。
ツルツルのグリップの低いコース。
FIA F3レベルのチーム。
これらが相まって育てた選手が伸びてきた訳です。
やっぱりクレバーな英国モータースポーツ界ー
そこへ今回の発表です。
HERE IT IS!
— GB3 Championship (@GB3Championship) October 24, 2024
Presenting the stunning Tatuus MSV GB3-025 😍
Construction of the first car has been completed at the Tatuus HQ in Italy, with the first shakedown due for next week 🇮🇹
We CANNOT WAIT to see this car on track 🤩
📸 Tatuus / Mattia Negrini pic.twitter.com/kD1P6fXhNt
さすがはMSVですね。
レースをよく理解しています。
レースをよく理解しています。
この仕様を見た時、全てを理解しました。FIA F3に乗る為のクルマだな、と。元々GB3は超ハイダウンフォース仕様に作られておりました。今回もそれを踏襲しつつ、DRSを付けてきました。
要は
「金掛かるFIA戦行かないで、英国においでよ。GB4かジネッタで練習してGB3やってFIA-F3に乗ればそのままF1行けちゃうよ!」
と言う事です。
昨年、マカオで勝ったルーク・ブラウニーとかジョージ・ラッセル、ランド・ノリスを見ていると否定する言葉が出てきません。
実はPREMAにもそう言うドライバーが増えてきているんです。
「そんなこと言ったって、マカオGPは偉大なる草レースだろ?細かい事言いなさんな!」
と言ってる貴方!?
今年のこのマカオGPの開催予算、いくらか知っていますか?
2.4億MOP(日本円にして約45億5戦万円)
草イベントにしてはあまり安く無い様です。