前回までのお話し。
『マカオの経済はカジノで廻っている』
と、言っている人はマカオの本当の事を知らない。
真のマカオの姿は〝建設・建築〟で廻っている。
カジノ(IR)はその一つのコンテンツでしか無い。
ここが見えないと、どんな事であれ、この地域の本質は見抜けない。
また大阪はここを見誤っている。
昨年のマカオGPの開催理由は
『今からだとキャンセル出来ない』
だった。
では今年は?
『今年やらないと来年の予算が取れない』
『嘘をつくんならもう少し上手につけ』
マカオ市民は呆れた。
つまりマカオ市民も前年の様子を見て
『まずいメシを食うくらいなら一食くらい抜いて、次に良いのを食べれば良い』
と言う意見が非常に多かった。
しかし建設業界に忖度している為、中止に出来ない。あのコースの設置や保守管理、解体で数十億円が動くプロジェクトになっているからだ。
以前のマカオGPは旅遊局が主体だった。それが2016年から体育局が入ってきた。その前年のマカオGPは両局が入り込み、とんでも無い事になった。グランプリ期間中に争いが発生し、ピット内のwi-fiが突然切られたり、各チームが自社のSNSに投稿した情報を『消せ』と言ってきたりと、参加者はナニがナンだか分からない状況に置かれた。
そこまで醜い争いをしてまでマカオGPの権利を掠め取った訳だが、結局、体育局だけでは扱えず、現在は体育局主体の旅遊局共催と言う言い方が正しい体制になり継続している。アホらしい。
モータースポーツのレースイベントの開催については各国のASN(マカオの場合、AAMC)が主体で動くのだが、マカオGPの場合、政府が先に立って傘下にAAMCを置いている関係で動きがおかしい事が多い。おそらく政府はAAMCをFIAへの連絡係にしか思っていないのだろう。
モナコのACM(モナコ自動車クラブ)などは、流石に世界一流のイベントを捌いているだけあって、その辺り、全く抜かりの無い体制で臨んでいるが、それがこの地域ときたら、ナンだかなぁ…と思う事しか出来ない展開だ。
これならば例年通りFIAがドカっと座り込み、あーせい、こーせいとAAMCや政府をこき使った方が結果的に世界に胸を張れる良いイベントになるのは間違い無い。そこが長い事、他国の領地としてやってきた習性だと言われればさもありなんだが、もう少し主体性を持ったらどうかと思う次第である。
なぜなら自分達より歴史の浅い親国に従わなければならない点も、学ばなければならない点もないのだから。その国の感性は上手くいかないと『我々は頑張っているんだ(だから仕方ないだろ!)』上手くいくと『もう我々は学ぶ事は無い』と1分以内に変化する特殊な感性をお持ちになっている。
前にある仕事で大陸のヤツの傲慢な態度に頭に来て、事前に調べておいた資料を会議の席上でぶつけた事がある。
『この会社はどこそこと合弁。何年には日本の会社と云々。更にどこそこと云々と発表。』チラッと見ると大陸側はウンウンと頷いて満足そうだった。
ここがチャンス!と言うタイミングで『但しいずれも発表のみでナニひとつ実現できていません!』と言ってやったら、顔を真っ赤にして固まっていたっけ。その連中そのものが落ちたとは言え長崎のIRに名乗りを挙げて最終選考までいましたからね。どんだけ事前調査が緩いんだと言う話しにもなりますが。
中国のモータースポーツの黎明期。スチュワードをはじめ、競技の監修はマカオが出張してやっていた。それがFIAへの申請の関係か知らんが、FIA から派遣されて中国から監修が来ている。結果、ボロッボロのレースだった。これを素直に受け入れるのは、なかなか難しいと思いますよ。
と、ブツブツ言いながら【その3】へ続く