欧州のドライバーですら難しい状況に…


クリスマス休暇に入る前、英国のマネジメントサイドから
『◯◯の息子だけど、日本のリージョナルにドライバーをひとり入れたいんだが…』
と言ってきた。

「止めとけ。15台出ていてもジェントマンが10人近い。コンペティティブと言うにはちょっと厳しい。◯◯は長い事F1のトップにいた人だろ?彼が一番分かっているんじゃ無いか?それにミカ・サロの子供なんか、日本で誤ったチームで走ってボロボロだよ。」
と答えた。

「それであれば中国のF4はどうだ?レベルは低いが最終戦はマカオだよ?FIA F3の連中に売り込むにはまたと無いステージでしょ?」

『いや、中国は無い。親が嫌がっているんだ。』

2021年の会話は最後〝中国はヤダ!〟で終わった😂

 年末年始、このドライバーの事はたまに浮かべてはまた消えて、と言う感じだった。ただその中に一つのキーワードは浮かんだ。
〝そうは言ってもタイトル獲ったらそれはチャンピオンだよな?〟
と言うアイデアだ。

 年が明け、別件もあった為、連絡。
「あのドライバーの件、どうなった?」
と聞いてみた。
『まだ何も決まってないよ。それにさ、どのシリーズもカネが無くて出ているのは半分、おじさんだよ!』
こっちの言いたい事を見透かした様な事を言ってきた。

「その件だけどね、俺もよく考えて見たんだが日本のリージョナルも手としては悪くないか?と考え直していたんだよ。でもさ、どうして日本って考えた訳?FIA F4に出ていたよね?ヨーロッパのリージョナルは元のルノースポールだから、元のあなたの会社じゃない!なぜそっちにしないの?」

 

『今ヨーロピアンリージョナルがいくら掛かるか知ってるか?どれだけ安くても40万ユーロ (約5,200万円)から60万ユーロ(約7,800万円)掛かるんだよ?』

 ヨーロピアンリージョナルでこの値段である。あるF2チームが昨年、メリに50万ユーロ(約6,500万円)で乗らないか?と言ってきたが、もう狂っているとしか言いようが無い状況になっている。
 これでFIA F3、F2と二倍ずつになっていくともう本当に家庭や一族が崩壊する勢いになってしまう事は見えている。そう言う意味から言うと、アレジファミリーは欧州での道が潰えたので、日本へと切り替えるチャンスを的確に活かしたと言える。

 それにしても欧州がこの有様だ。事実上、ステップアップが困難を極める状況にあるのはもう待った無しの事実だ。そうであれば日本も一つの選択肢か?と頭を切り替えてみた。そう言えばメキシコの選手からもチョコチョコと声を掛けて来ている。

 ふとアイデアが浮かび、社長に話しをした。
「テディに言って、昔やったジュニアチームみたくもう一度、日本でやらないか聞いてみてくれない?」
と。


 そう言う数日前、テディから
『Happy New Year❣️ そっちはどうだい?』
とメッセが来た事からそんな雰囲気な事がアタマに浮かんでいた。

ここから色々はアイデアを組み立てないとならない。
  • メンテはどうする?
  • スタッフは?
  • 予算あるのかよ?
等々。

 今日、童夢の担当者にスケジュールを聞いてみた。
『これから出すところですが…』
とすぐに送ってきてくれた。カレンダーを見るとふとアイデアが浮かんだ。

 幸いこのカレンダーを見るとマカオGPには被っていない。9月のレースの後は12月まで空いている。欧州のジュニアカテゴリーはF2を除いてほぼ9月に終わる。これはドライバーが翌年の動きをし易くする為だ。
 FIA F3はシリーズ戦とマカオグランプリが別の枠(契約)となっている。その為、レギュラードライバーにとってマカオグランプリはオプション契約になっているケースが多い。

 ここを逆手に取って考えれば、日本でシリーズ戦を戦い、マカオ+欧州でのテストをパッケージを追加したらマカオグランプリでドライバー自身のプロモーションとして翌年に向け大いにアピールする舞台になる。


そう考えると、このアイデアはけっこう〝アリ〟となる。

 マネジメントと言う言葉はピンキリだ。乗るチームを探すだけの口利きもマネジメントだし、その先のプランニングを組み立てるのもマネジメントだ。
 幸いうちには英国のパートナーがおり、ルノースポールのスタッフだった事もあり、ルノーには強いパイプがある。ファウンダーのひとりのジョーダン・キングも彼のおかげで今はアルピーヌF1のシミュレーターデベロップメントの契約やformula eのテストドライバーを続けられている。


 先日のメリのタスマンシリーズの参戦もそう。最初はチームとして出たかった。しかし隔離問題が解除できない。幸いドライバーは行ける?しかし金を出す方が行けないのはおかしくない?となって結構ゴタついた。
 しかし主催者がメリをゲストドライバーとしてくれたおかげで、ノーペイで賞金も貰えると言う素晴らしい条件で参加できた。
これもマネジメント。


いくら払うから乗せてくれ‼️
それはお買い物。
こっちの言葉で〝Only Pay〟と言う。

 それでなくても門戸の狭いF1だが、今や完全にマニュファクチャラーのチャンピオンシップになってしまい、そのマニュファクチャラーへのツテが無いとF3やF2に乗っても意味の無いポジションに置かれてしまう。もちろんテストでF1に乗れる事もあるが、大枚叩いて『毎度あり〜💕💰』の世界である。

 そう考えるとアルファロメオF1のシートを得る為にルノーとの契約を切ったが、周 冠宇との繋がりや流れも今となっては悪くないね、と言う話しになる。

中国初のF1ドライバー誕生 周冠宇がアルファロメオから来季挑戦


 それにしても欧州のドライバーやその家族が欧州でやっていけない状況とは、さすがに如何なものか?と思わずにいられない。

 今年からリニューアルしたGB3とGB4を一台は動かしたいな…と、ぼーっと考えていたが、それどころでは無くなってきた。
とりあえず、どこまでやれるかコマは進める。