セナの再来?初めてのマカオで圧倒的なスピードを見せたミニ セオドールレーシング初日P1-P3から発進!


マカオGP F3のタイムスケジュールは木・金が同じで午前中に公式練習(以下、FPと表記)、午後にそれぞれ予選があり、土曜日のグリッドは二つの予選のベストタイムで決まる。

今回、F2ドライバーや過去、マカオGPで優勝経験のあるドライバーの参戦などに対し、オール新人ドライバーで臨む我々はとにかくコースに慣れることを優先課題としていた。



そんな中スタートしたFP1。
まずコースインしてマシンのチェックをする段階で#9 ガブリエル・ミニのピットに不穏な空気が漂った。
一周して戻ってきたマシンの右リアタイヤに大きな金属片が刺さっていた。
ピレリタイヤのエンジニアが確認するが、走行は危険な為、取り替えるように指示され、貴重な1 Setを失った。

しかしここからサーキットの空気が一変する出来事が連発する。

タイヤを履き替えてコースへ飛び出していくミニ。
数周もしないうちにリーダーボードのトップに躍り出る。
#8 ディノ・ベガノビックや#10 ポール・アーロンはまだ上位には来ない。

しかしミニだけが飛び出し、常にリーダーボードの1−3位を行き来している。活躍が予想されていたF2ドライバーのダン・ティクタムが上位を脅して来るが、タイムを出されると、ミニはそれをすぐにひっくり返す。この様子に各チームの雰囲気が徐々にミニに飲まれていった。

結局、FP1はミニが一番時計でチェッカー。ディーノは六番手。ポールは二十五番手となった。




そして午後からの予選。
ミニは最初から飛び出しタイムをドンドン削っていく。
ダン・ティクタムやかつてセオドールレーシングでマカオを走り大活躍したF2ドライバー、マーカス・アームストロング、ミニの今シーズンのチームメイトだったハイテックのルーク・ブラウニングがこれを追うが、ミニの勢いは止まらず。
午前中は2分7秒台のタイムをいち早く6秒台へと押し進めていく。

ラスト9分で赤旗。
ライバルとなるルークはニュータイヤを履いて準備。
一方のミニのタイヤはそのまま。
ディーノもタイムを刻んで上位に顔を出してきた。

最後のアタック。
ニュータイヤのルークがトップに躍り出た。
しかしチェッカーの出た最終ラップ。
ミニがコントロールラインを横切るとただ一人、5秒台を叩き出し、ルークに0.5秒近い差をつけてポールタイムを決めた。
そして3位にはDRSが壊れながらもディーノが付け、やや調子の上がらないポールはそれでも12番手へとクルマを押し上げてきた。



#8 ディノ・ベガノビック:
予選1回目を3位で終えられたのは良かった。全体的には少し混乱したセッションだった。私のクルマのDRSが機能しなかったが、最終的にはそのマイナスを取り戻すことができた。全体的には本当にいい感じでした。私たちはFP2とQ2に向け、すべてを確実にまとめるために検討できる優れたデータを持っており、それをしっかりと分析してまとめていく。それが明日の目標です。

#9 ガブリエル・ミニ:
グランプリの週末を始めるのにはとても前向きな一日でした。赤旗やその他すべてのことにより、コースのトラフィックがあちこちで発生していて、ラップタイムをまとめるのは簡単ではありませんでした。しかしタイヤが明らかに劣化していたため、最終的にはラップタイムが1秒近く短縮できた事は自分自身でも驚きました。明日は新しいタイヤでもう一度、全てをトライし直してみます。

#10 ポール・アーロン:
楽な日ではありませんでした。しかし明日はもっと重要な日であり、今日の目標はクルマやこのサーキットに慣れるために走ることでした。 FP1の最後に小さなミスをしてしまい、その事が原因でQ1では少し劣勢になってしまいましたが、我々は良いステップを踏んだので、明日に向けて何をすべきか?何を改善すべきか?についてはその方向性は出ました。明日に期待していてください。

それにしても木曜日はミニの活躍にはスタッフでさえ言葉を失った。
ハイテックに所属していた今年、モナコの公道レースを制したのは他でも無いミニ本人だが、初参加で初日のセッションを全て制したあたりから、関係者からは「セナ以来の逸材」と言う声が聞こえ始めた。

SNSにはDMなどで、マカオの現地に来ていない世界各国のメディアから、写真の使用を求める連絡が来るなど、このレースが如何に注目を浴びているのかを実感した。

金曜日のタイムスケジュール:

FP2/  9:30-(日本時間10:30-)
Q2 /15:05-(日本時間16:05-)

尚、この模様は全て各国のTV中継、またはFIAの公式YouTubeチャンネルで配信されます。